入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんのご入学を心より歓迎致します。
皆さんが愛知工科大学並びに同自動車短期大学を選び、本日から一人一人が未来を託し、学び、研鑽を積まれることを重く受け止め、皆さんが卒業される時には、この大学に入り、卒業できて良かったと心から思って頂けるよう本学は努めて参ります。同時に、皆さんにも、学びの大切さ重要さをしっかりと胸に刻んで頂き、本学の教育指針「心を磨き、技を究め、夢に挑む」に則して全力を尽くして頂き、意欲と人間性と能力を併せ持ち、建学の精神である、社会に喜ばれ歓迎されるエンジニアや専門家となって自立し、夢の実現を通して社会に貢献して行くための土台をしっかりと作って頂きたいと願っています。
その土台作りの場となる本学は、昨年、NHKテレビでも話題となりました徳川家康の生まれ育った当地の三河地区にあり、歴史的にも日本の文化・産業を築き上げた地域でもあり、現代に至っては世界的にも注目されている自動車、航空、情報産業を中心とする日本の製造工業の中心地に位置しています。そのため、本学の周辺には多くの企業が立地しており、これらの企業と連携した実践的な教育、取り組みを本学では多く取入れております。また、現代の情報社会の動向をいち早く取り入れたICT教育やDX(デジタルトランスファー)時代に即した斬新な教育にも力を入れております。
大学においては、工学部3学科すべてのカリキュラムにデータサイエンス教育を強化するとともに、時代の求める工学教育を実現すべく、様々な取り組みを行っております。また、グローバル社会に対応できるように英語によるプレゼンテーション能力の強化、留学生には日本語力強化のカリキュラムなどを柔軟に配備しています。中でも、IoTやAI時代に即した学科横断型の選抜IoT・AIエンジニアリングコースでは、地域社会や企業との連携のもとにより実践的工学教育を進めています。キャリア支援では、1年生から3年生までキャリア教育科目を配置し、インターンシップにおいては1年生から3年生まで幅広く参加できる形態を導入し、早い段階から職業観を育めるようにしております。その他、基礎教育から研究等の支援、さらには大学院進学への指導体制の強化充実などによって、勉学だけでなくサポート面においても面倒見の良い大学として学内外から評価をいただいております。
一方、短期大学ではすでにご承知の方も多いかと思いますが、他大学にはない自動車整備設備が整えられた近代的な自動車棟により、実車を用いた実習を中心に実践力のある整備技術者の養成に努めております。多くの自動車企業からも、本学の優秀な整備士や技術者の育成のためにと、最新の国内自動車ならびに外国自動車の寄贈を頂き、他校にはない充実した最新の実習環境のもとで教育を受けられることは極めて大きな特徴と言えます。近年話題になっております次世代自動車への対応も、いち早く取り組んでおります。さらに、短期大学卒業後に大学への3年次編入を行いながらトップクラスの1級整備士資格と大学卒学士の取得ができる日本で唯一のユニークな教育システムを実施しています。
新入生の皆さんは、より充実した教育・研究体制のもとで本学での生活を始めるのですが、今までとは違った環境に一抹の不安を覚えておられるのではないかとお察しします。18歳が成人と認められ、これまで以上に、何事にも自主性、自立性が求められることと思いますが、学生を大きく成長させる本学のAUT教育を通して、自らの意欲・人間性・能力を高めて頂き、自らの責任で行動し自信を持てる自分になり、広い視野と価値観を持った自分になれるように成長して頂きたいと願っております。本学での生活は皆さんに多くの新しい体験を与えるとともに、厳しい試練を課すこともあるかと思います。大学ならびに短大での授業は、これまでのような既にある知識や技能をまねる学び・学習だけではなく、新しい知識や知見を生み出し新しいものを作り出すことが求められていきます。また、大学院においては、より高度な専門的学問とオリジナリティある研究成果を求められていきます。
一方、大学・短大では、勉学だけでなく、学生主体の大学祭、クラブ活動等も用意されております。そして、そのような大学生活の中で新しい先生や仲間との多くの出会いが待っております。また、本学所在地であります蒲郡市や幸田町をはじめとする地域の皆さんとも共生共同する大学として、様々な地域貢献活動や催しに参加できる機会があります。このような大学生活での出会いこそ、諸君の生涯を支えてくれる有形無形の財産にもなります。ぜひ、大切にして頂きたいと思いますとともに、楽しく有意義な愛知工科大学ならびに同・自動車短期大学での毎日を送られますよう、念願してやみません。
大学入学までのこれまでの学習や経験に加え、今日から社会人に向けた新しい人生のスタートであると考えて、何事にも新たな挑戦の気持ちを持って、日々の学業にまた生活にも全力を尽くして、後悔のない時間を過ごしてもらいたいと思います。そして、地道な努力によって「やればできる」という自信の積み重ねが、夢の実現に向かって進んで行く原動力となるのです。
どうか、本日の入学の諸君も一日も早く本学および地域での生活や勉学に慣れ、先輩や教職員あるいは関係各位とともに地域発展ならびに社会に貢献できるよう希望して告辞といたします。