情報メディア学科 加藤高明

アメリカ珍道中の巻(その1)

情報メディア学科 准教授 加藤高明/KATO Komei

アメリカ珍道中の巻(その1)

最近アルバムの整理をしていたら、出てきました学生時代の「アメリカ珍道中」の写真。25年以上も前のことなのに、写真を見ると、鮮明にそのときの情景が思い出されるものなんですね。
英語やアメリカに全く興味のなかった私が、ほとんど行き当たりばったりで1ヶ月もアメリカに貧乏旅行に行くことになったのは、三重県出身M君のひと言でした。「おい加藤、春休みアメリカ行かへんか?ディズニーランドやラスベガス、きっとおもろいで~。」まだ日本にディズニーランドがない時代だったし、愛想的な軽い返事で「いいかもね。」M君主導であれよあれよと準備が進み、特に英会話の練習をすることもなく、大学3年生の2月下旬、伊丹空港の売店でトラベル英会話の本を1冊買っただけで出発したのでした。

バックパックとジーンズ1本

パイプの付いたリュック(バックパック)に1ヶ月分の荷物を詰め、腰には1ヶ月分の生活費(宿泊、食費、交通費、その他全て込みで1日あたり1万円相当)を巻き、首からパスポート提げて、いざサンフランシスコヘ出発。荷物になるので、ジーンズは1本だけの着たきりスズメです。

試練はすぐにやってきました。空港の入国審査で「What is your name?」が聞き取れず、また初めて入ったスーパーマーケットで、買い物した金額が聞き取れず、本気で「もう帰りたい。この先1ヶ月もやっていけない。」と思いました。

結構通じる、俺たちの英語!?

英語に不安があるので、何か困るとどうしても日本人に話しかけてしまいます。でも実際には日本人じゃない、なんてこともしばしば。「かなわんなー。」「どうするよー。」なんて大声でぼやいていました。次は憧れのニューヨークへ移動のため、飛行機の予約をしなければいけません。乗り放題チケットを日本で買っておいたので、電話で予約すればいいのですが、「そんなの無理、無理。」空港まで行って、窓口で搭乗予約に挑戦しました。できるもんですね、人間。その気になれば。「あなたの名前は?」が聞き取れなくても、飛行機の予約はできるんです。今でも窓口で応対してくれた「イケメン」のお兄さんの顔、はっきり覚えています。

エキサイティング・ニューヨーク

途中飛行機を乗り継いだデンバーという都市には、牛丼の「吉野家」がありました。ビーフボールって言うんです。注文のときに「ウォチャー?」と飲み物を聞かれ、「水」かと思ったら、「お茶」でした。ちゃんとアツアツの日本の緑茶が出てきて、ちょっと感動でした。上の写真中央にあるのは、あのワールド・トレード・センターです。中の写真はそのワールド・トレード・センター展望室からの眺めです。もう見られない景色となってしまいました。残念でなりません。

結局ニューヨークには、1週間も滞在してしまいました。世界経済の中心ウォール街や、高級ブティックの並ぶ5番街、自由の女神にエンパイア・ステート・ビル、セントラルパーク、何からなにまでエキサイティングな街でした。

4人のグループでアメリカに来たのですが、言い出しっぺのM君とS君は、ニューヨークは怖いとのことで西海岸に残りました。夜からまれそうになったり、物価はめちゃくちゃ高かったんですが、当時有名だった落書きだらけの地価鉄にも乗ったし、勇気出して来てよかったです。

あっ、そうそう、ニューヨークのデパートで、「なごり雪」で有名なシンガーの「イルカ」さんが、ベビーカー押して普通に買い物している姿にも遭遇しました。今思うと、サインもらっておけばよかった。ちょっと後悔かな。

欲しかったトニー・ラマ、激安でGET

次に向かったのは、アリゾナ州ツーソンという街。そこらじゅうにサボテンがニョキニョキ生えている、いかにもカウボーイが似合う街。エル・パソに行けば、あのウエスタン・ブーツで有名な「トニー・ラマ」の工場があり、激安でブーツが入手できます。メキシコとの国境にあるので、メキシコにも行ってみました。何かすごい。値切れば、1ドルで銀(?)の指輪が買えたり、まくし立てるようにスペイン語が飛び交ったり、でもみんな陽気で楽しかったですね。でも路地裏 はくれぐれも行かないように。

まだまだ続く、アメリカ珍道中。続きはまた近いうちに。結構いろいろなハプニングがあったんですよ、これがー。