「モノづくりは図面から」
CADの学びは製図の基礎。
昨年、2次元CAD利用技術者試験の機械部門1級を受験者中最高得点で合格した学生がAUTにいる。機械システム工学科の谷川諒さんだ。1級の試験時間は8 0分で、筆記2 5問、実技3題を解く。実技問題は「問題用紙に印刷された図面をパソコンで描く」というもの。時間がかかるため、ポイントをいかに早く把握するかが合否のわかれ目になっている。谷川さんは小さい頃から祖父の機械修理の仕事を近くで見ながら、工作することや機械をバラすことに夢中になっていた。自分もいざモノづくりに挑戦すると、図面がないとうまくいかないことに気づいた。そんな時、祖父から「モノづくりの前には、まず図面を描け」といわれたという。「最初は図面を描くなんて面倒だと思っていましたが、図面が描けるということは、モノを立体的に理解しているということなんです」彼は図面づくりの大切さに気づき、AUT合格後の“夢作文”に「CAD資格取得」と書いた。モノづくりの経験で図面や機械の基礎知識があったことから、1年生で2級に合格。しかし、その後の1級試験では、ファイルの変換ミスが原因で一度不合格になった。「もし、きちんと形式変換ができていれば合格だったかもしれません。しかし、全体的にできた気がしなかったので『次はもっとCADへの理解を深めて高得点で合格しよう』と気持ちを切り替えました」結果、100点満点の89点。この時の試験の最高得点で合格した。彼の次の目標は3次元CADの資格取得。2次元CAD1級に合格してCADへの自信を深めたが、まだ使ったことのないコマンドもあり、その奥深さを感じている。「興味がある人はぜひCAD試験を受けてほしいですし、自分の手で何かをつくる経験をしてほしいです。その経験が実技力アップにつながります」CADは図面を正確に描くツール。実技力を上げて、設計のプロへ。