「もちろん僕たちは若者ですから、普通にブラブラして、気持ちのおもむくままに撮影すれば、それが“若者目線”になる。そう考えて、とにかく歩きはじめました」でも、それだけなら、たんなる写真集だ。そこへ行く途中の、気持ちの盛り上がりが大切なのではないか。そう気づいて、「映えスポット」に行くまでの道中の自分の目線の動きを動画に撮った。そして、スポットに到着した瞬間にシャッター音をSE(効果音)に入れて静止画を挿入する。映像を見ている人は、自然にそのスポットに誘われるわけだ。
「でも、まだなにか足りない。若者目線って、若者の自己満足じゃないの? そんな思いがふつふつと…」。ある日、スポットの一つとして想定していた蒲郡市の竹島水族館に行った。そこには、若者や家族連れなどいろんな世代の人がいた。この水槽は子どもの目の高さからだとこういうふうに見えるな。それを後ろから見守る大人の立ち位置はここだな。いろんな気づきがあった。「映像は、いろんな人の目線を代表することができる。その可能性を発見して、さらにこの分野が好きになりました」
完成した作品には、それぞれの“目線”を反映させたチームメンバーが、わざと“見切れて”いる。もちろん、誰も大袈裟な撮影機材は担いではいない。