機械システム工学科 林寛幸

優先席を描く

機械システム工学科 講師 林寛幸/HAYASHI Hiroyuki

優先席を描く

愛知県近郊の鉄道で使用されている「優先席」のマーク(一般には ピクトグラムと呼ばれています。)をCADで描いてみました。

このピクトグラムは全国、全世界で各所・各場面などで随所に使用されています。標識やシンボルマークなど、簡単な形や色でメッセージを伝える記号です。誰が見てもある程度直観で理解できるのが、このピクトグラムです。
私たちが一番身近に感じるピクトグラムは道路標識で、必ず守らなければならない標識です。 一方、現在の電車の中を見渡すと一車両ごとに必ず「優先席」が設置されています。優先席設置の是非についての意見はいろいろあると思いますが、ここではピクトグラムのデザインのみに絞ってみます。使用した鉄道は、JR東海、名古屋鉄道、愛知臨界高速鉄道あおなみ線、愛知環状鉄道、近畿日本鉄道、名古屋地下鉄の合計6鉄道会社です。 名古屋地下鉄のみ5つの絵柄があり、他の鉄道会社はすべて4つの絵柄から成り立っています。

5つの特徴

  1. 年老いた人
  2. 病人
  3. 妊娠している女性
  4. 乳児を連れた人
  5. 心臓疾患がある人や心臓ペースメーカをつけている人

各鉄道会社の絵柄順

JR東海1234
名古屋鉄道2134
愛知臨界高速鉄道あおなみ線2134
愛知環状鉄道2134
近畿日本鉄道1234
名古屋地下鉄13425

各鉄道会社で微妙に違いはありますが、ほとんど同じような絵柄です。互いに同一の絵柄では苦情が出そうなので、少しだけ変えてあります。たとえば、垂直線の表現をある角度をつけたり、他社が離れている絵柄の部分をくっつけたりと苦心の跡がうかがえます。(3)番の妊娠している女性と、(4)番の乳児を連れた人は互いに関連性があるため(3)番と(4)番はすべて隣どおしで描かれています。
日本全国同一のピクトグラムでも良さそうなものですね。

各鉄道会社ごとの「優先席」CAD図面

各鉄道会社ごとの「優先席」の写真とその下にCADで描いた図形を掲載します。
CAD図面は、色を付けた図面と黒色の図面の2種類を作成しました。ただし、ベクトル図面であるCAD図面を画像化したので、細部はギザギザ等が入って見にくくなっています。
※右のCAD図面をクリックすると拡大します。

JR東海

名古屋鉄道

愛知臨海高速鉄道あおなみ線

愛知環状鉄道

近畿日本鉄道

名古屋地下鉄