自動車工業学科 加藤寛

東京モーターショー

自動車工業学科 助教 加藤 寛/KATO Hiroshi

東京モーターショー

自分と東京モーターショーのかかわりは、学生時代に学校の行事で、その当時、晴海の東京国際見本市会場で開かれていた東京モーターショーへの見学から始まりました。それから社会人となっても隔年開催の東京モーターショーに通い続け、第26回から昨年の第40回までの計12回、(第34,36,38回の商用車の時は行けませんでした)23年間通い続けています。

東京モーターショーは、世界三大自動車ショーの一つで、ドイツのフランクフルトモーターショー、アメリカの北米国際オートショー(デトロイトショー)そして東京モーターショーと、世界の自動車ファンがもっとも注目する自動車ショーの一つで、それが日本で行われ、さらにこれだけ規模の大きい自動車ショーは国内で東京だけなので、自動車好き、バイク好きの自分が行かないわけがありません。

昨年の第40回東京モーターショーは、5つの体験試乗会をはじめ、「お客様参加・体験型」の特別企画がたくさんありました。自分はその中で、今回始めて行われた、セーフティ・ドライブ体験試乗会に参加しました。当日は、ビー・エム・ダブリュー一社独占の日で、1シリーズと3シリーズを使用して、舗装されたエリアに低μ路面を作り出しアクティブセーフティ(ABS・ESC)の作動時・非作動時におけるクルマの挙動を自分自身で運転し体感することができました。普段ではなかなか体験することができないことなので、大変勉強になりました。

また、商用車同乗試乗会もあり、そちらは小平産業のウィングトレーラ(バラ積み緩和車両)+トラクタのフラッツモール041 フェザーウイング トレーラ(トラクタ付)といったいわゆる大型トレーラのトラクタ部の助手席に乗せていただきました。こちらも普段では体験することはなかなか無く、見晴らしのよさや、ステアリングの切れ角、一番感動したのはさすがプロドライバーといった、車両感覚に大変驚きました。

このトレーラには、上の写真にもあるように、後輪3軸のうち前側2軸がエアで浮き上がる構造となっています。これは、リフト・アクスルといって、普段は、トレーラ部分は3軸ですが、空荷時にうち前2軸がエアサスのエアでリフトアップするものです。軸重感知のセンサーがあり、後ろ3軸の荷重が一定値以下になれば、自動的に前側車軸がリフトアップされます。実際に運転される方によると、1軸になった場合の運転はちょっとしたコツが要るらしいです。3軸車のつもりでハンドルを切ると切り過ぎになるので注意が必要。リフト・アクスルによって高速料金は特大車から大型車に区分され、通行料金が約40%安くなるし、タイヤの磨耗を防ぎ、軸数が少なくなることで燃費も向上して環境にもやさしいという利点があります。

また、昨年の車両展示は、出品会社数は241社、出品車両数は542台と一日では回りきれないほどで、その他、上の左写真のCVT分解のような部品メーカーの展示や、右写真のような、日産のムラーノのコマーシャルでも使われていた、クレイ(粘土)を使ったこどもカーモデラー体験教室も開かれていました。また、「これからのクルマと社会を考えるシンポジウム」と題して色々な講演が催され、自分は、興味のある「走る気持ち、ひろがる世界~福祉車両のある豊な生活~」の、福祉車両に関する講演を聞かせていただき、実際に使われているユーザーの生の声を聞かせていただきました。

その他、上の左写真のように、バイク好きには二輪車のブースもたくさんあり、国内4メーカーほか海外メーカーからの出品や、右写真のように、前回まで交互開催されていた商用車ショーが同時開催となり、新・総合ショーとして、全てのカテゴリーから多彩なワールドプレミア(世界初の発表)を含む最先端の製品や技術が集合する場となっています。

まだまだ言い尽くせないほど、内容の濃いものですが、これを見てくるまやバイクに興味を持たれた方は、来年の2009年の第41回東京モーターショーに、一年近く先ですが、今から計画を立てて、ぜひ、見に行ってください。