電子ロボット工学科

小川研究室

目には見えない力?触れることなく物体を空中に浮かす磁気浮上技術

小川研究室小川 和輝 助教

キーワード磁気浮上/制御工学/磁気工学/メカトロニクス/振動制御

磁気浮上技術は、磁力を用いて物体を非接触で空中に浮上させたり、移動させる技術である。磁力の発生には主に電磁石を使用する。物体を空中に浮上させるには、物体に働く重力と電磁石による磁力を釣り合わせる必要があり、磁力の強さを制御する必要がある。電磁石は入力する電流によって磁力をコントロールすることが可能であるため、物体を空中に浮かす制御が可能である。近年、磁気浮上技術に注目が集まっており、製品開発が行われている。身近な磁気浮上技術の応用例は、リニアモーターカーである。磁場の特性上、磁力の強さは電磁石と物体の距離の2乗で変化するため、物体の振動が浮上安定性に大きく影響する。そのため、磁気浮上中の物体の振動をどうやって制御するのかがテーマのひとつである。
物体を搬送する際には、何らかの形でその物体に接触し移動させる場合がほとんどである。しかし、物体に傷が発生したり、搬送装置自体の摩耗が問題となってくる。物体を非接触で搬送することができれば、物体には傷が発生せず、搬送装置の摩耗によるメンテナンスの頻度も少なくなると考えられる。また、壁の向こうの物体を動かすといったことも可能であると考えられる。
磁力という目には見えない力を応用することで、暮らしを豊かにする新たな技術を研究するのが本研究室である。