自動車のデザインは、多くの場合、きれいな流線型をしている。トランクの後端にはウイングがついている場合もある。その方が格好いいから? 売れるから? それもあるが、本質的には車の進行方向から後方へと空気をスムーズに流すための工夫だ。高速になると飛行機の翼と同様に、車体を上に引き上げようとする揚力が働き、操縦安定性にも影響する。自動車のデザインは、“空気”との闘いなのだ。風洞実験装置を手づくりして空気の流れを可視化するとともに、コンピュータシミュレーションによる理論探究を進め、プラズマアクチュエータによる“見えないウイング”の研究も行っている。