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令和6年度 卒業証書・学位記授与式を行いました

3月14日(金)、愛知工科大学体育館にて第14回愛知工科大学大学院、第22回愛知工科大学、第37回愛知工科大学自動車短期大学の2024年度卒業証書・学位記授与式を挙行しました。
学長式辞
この度、本学をめでたく卒業され、学士(工学)の学位を受けられた機械システム工学科、電子ロボット工学科、情報メディア学科の工学部卒業生諸君、並びに短期大学士(自動車工学)の学位を受けられた短期大学自動車工業学科の卒業生諸君、そして修士(工学)の学位を受けられた大学院博士前期課程修了生諸君に心よりお祝いを申し上げます。
また、本日の式典にご参列いただいた保護者の皆様方にも、心よりお祝いを申し上げます。大学卒業までの間、何かとご苦労があったこととお察し申し上げます。本日は、みなさまにとって感慨もひとしおの事と思います。本学に対して賜りましたご支援に対し、改めて敬意と感謝の意を表したいと存じます。ありがとうございました。
さて、現在、社会の変化に目を向けますと、近年の地球温暖化に伴う環境問題や地震、台風などの自然災害が多く発生したほか、世界では戦争や武力衝突をも発生しており、いずれも今なお収束の兆しが見えません。一方で、少子高齢化社会への対応と課題解決に加え、ICTやDX技術、また人工知能による生成AIの進歩・発展などにより、豊かな社会の実現に向けた道も開かれつつあります。私たちを取り巻く社会は、予想もつかないほど急激に変化しています。また、多様な価値観が共存する中で、国内外において解決すべき課題も増え続けています。
かつて米国ゼネラル・エレクトリック社CEOであったジャック・ウェルチは「変化を恐れるな、変化の中にこそ、未来がある」という言葉を残していますが、まさにこの言葉のとおり、現在の激動の時代を乗り越え、新たな可能性を切り開いていく必要性が求められていると言えます。
このように激しく変化し、厳しい状況が続く世の中で、若い皆さんが社会に貢献し生き抜くために、ぜひ心がけていただきたいことを少しお話ししたいと思います。皆さんは文部科学省が唱えた知識基盤社会と言う言葉を聞いたことがありますか。欧米ではknowledge-based societyと言われてきましたが、学びや研究を通して新しい知識や技術を身につけ、社会のあらゆる領域での活動の基盤となる社会を目指すという意味です。卒業される皆さんにとって、これからの知識基盤社会においては、知識や技術だけではなく社会的スキルが極めて重要であると私は感じています。この社会的スキルとは、人間的な優しさや思いやりをはじめ、他者を励ましたり共感したりする能力のことです。さらに、組織においては協調性や対話力が特に求められます。
こうしたことからも、本学で学んださまざまな知識や経験を存分に活かし、社会で力を発揮してほしいと思います。皆さんも良く知っているiphoneを作り上げたスティーブ・ジョブズは、ちょうど私と同じ年の生まれであり、彼が製品化したアップルIIと言うコンピュータを大学時代に手にした時は大変感動しました。彼は製品開発の中で、「Connecting the dots」という名言を残しています。直訳は 「点と点をつなげる」でありますが、過去の様々な経験が、その当時は想像もしなかったことにつながり、価値の高いものを生み出すという意味です。そして、その実現のためには、さまざまな経験を積み重ねながら、責任と自信を持ち、自立した行動をとることが求められます。
皆さんがこれから踏み出す実社会においては、そのような自立した責任ある行動を通じて人から信頼され、仕事の面でも上司や社会から高く評価されることでしょう。さらに、経験とともに、自立と責任の意識を一層強く持つことが求められていきます。
これからの新たな環境において、自立するための要となるのは、本学の教育理念にもある「社会から必要とされ、それに応えて責任を果たす人材」として行動することです。それこそが、本学の建学の精神を体現する姿であり、社会から喜ばれ、歓迎される存在となることにつながります。皆さんが自立できるようになることは、皆さん自身やご家族のためだけでなく、社会にとっても大きく期待される重要なことです。自立した個人が集まる社会こそ、健全な社会の礎となると言えるでしょう。
ここで、私の人生観から、自立に必要だった六つの要点をお伝えしたいと思います。ぜひ参考にしてください。
一.自信を持てる,自立した自分になること,
二.小さくてもたえず目標を持ち計画を立てること,
三.自分の言動と行動には実行と責任を持つこと,
四.何事にも思いやりと責任感を持って行動すること,
五.社会人としての謙虚さを身につけること,
六.物事に対する広い視野と価値観を持つこと,です.
この六番目は、特に、現代のグローバル社会において、日本だけでなく、世界的な視野と価値観を持つことが重要であることは言うまでもありません。
これらは、皆さんが自立し、成長し続けられることを期待して示したものであります。もちろん、躍動する現代社会において自立して行くには、このことだけでなく多くの困難・苦労があるかと思いますが、今まで培った経験を活かしながら、目標に向かって絶えずチャレンジする気持ちを持ち続けて下さい。そうすれば、チャレンジが自らのチェンジ、変化をもたらすとともに実感もでき、自立しながら成長した自分を少なからず感じ取ることができるかと思います。
これからの人生において今までにない経験や困難に遭遇されると思いますが、チャンスは誰にでもやって来ますので、先ほど申しましたように、自立に向けたチャレンジを続けていけば、自らの目標に近づき、夢の実現を手にできることでしょう。そして、次の目標に向かって何事にもチャレンジし、さらなる挑戦につなげて頂き、自立しながら自らをチェンジさせて、成長して頂きたいと願っております。
本学の卒業証書や修了証書は、皆さんが建学の精神に則り、周りから喜ばれ歓迎され、社会において立派に自立していく証でもあり、本学の教育指針である「心を磨き、技を極め、夢に挑む」を座右の銘として頂き、夢を持ち、夢に挑んで生涯にわたって技術専門家として、人間として仲間とともに成長し続けられることを期待しています。このことを忘れずに、それぞれの新しい環境で健康に留意され、明るく活躍されることを祈念して、私の式辞と致します。
本日は誠におめでとうございます。
2025年3月14日
愛知工科大学、愛知工科大学自動車短期大学
学長 大西 正敏